発達障害パパと子供たち

発達障害をもつ 僕と 子供たちの エッセイです。

長男の場合②

前回のあらすじ。

初めて「発達障害」という言葉を聞き 戸惑いましたが 保健士さんに ウチの長男の保育園での様子を 見てもらい 発達検査を受けるべきか否かを判断してもらうことになったのでした…。


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保育士さんに保育園での様子を見てもらった長男。先生が 園児に向けて 話すこと(一斉指示)が 聞けていないことなどを 指摘され やはり発達障害の疑いが あるので発達検査を 受けて下さいと 言われました。


発達検査は 予約が殺到しており 検査を受けるのに 半年かかると聞き、今 発達障害で 検査を受ける児童が 多いのだと 初めて 知りました。


検査だけで 半年、さらに 療育を受けさせるとなると 小学校入学までに この子に どう授業を 受けさせれば良いか ハッキリしないため、遠くとも 空いている病院で 検査を 受けることにしました。それでも三ヶ月くらいは待ったのですが…。

 


検査の結果は ADHD

教科書通りの「THE・多動」であると療育の先生は教えてくれました。


保育園の年長ですが IQは 比較的高めで 特に空間・図形把握能力は 小学3年生並みに 優れているけれど、出題の意図を 聞いて 理解する能力に 乏しく テスト中にも 落ち着きが無いなど 全体的な能力に デコボコがある状態でした。


この苦手を 克服する為には 集団での グループ療育を 受けさせることと『コンサータ』という薬を毎朝服用し、園での活動の様子を見ることになりました。

 

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コンサータは 脳内の神経細胞の間で 情報を伝える 神経伝達物質である ドーパミンノルアドレナリンを 増加させ 神経機能を 活性化し 注意力を高めたり 衝動的で落ち着きがないなどの症状を 改善する お薬です。


これを毎朝7時に 飲んで 登園させていましたが 大きな効果がありました。


前より 先生の一斉指示を 集中して 聞くことができ、

衝動的に 言葉を 発することが 少なくなり、

硬筆や 工作などの 時間に 違うことをしたり 立ち歩いたりすることが 無くなったのです。

 


これには 保育園の先生や療育の先生から 改善できて良かった!との声をいただいたのですが…。


親としては 気になる点も いくつかありました。薬の副作用です。人により出方は異なるようですが 長男の場合は、


食欲の大幅減退。

それによる身長の伸びの停滞。

笑わない。

気に入らないことがあった時に自分の主張を口にせず、ただしくしくと泣く。


今まで 明るかった長男の 性格すらも 変えてしまうものかと 副作用の大きさに 戸惑いました。


ですが それでも 今は 服用させることが 本人の ストレス軽減や 学習などの発育に 必要だと言われ 信じて 飲ませ続けました。

 

療育や服薬のサポートもあり 問題となっていた「一斉指示」が聞けないことも 改善されてきたので 小学校へは 普通学級に 入学し グループ療育は 2年生まで やりました。


学校での 成績は 優秀。授業も 集中して 聞けるようになり 療育も いよいよ 卒業!となったのですが しばらく コンサータは 続けました。


というのも このとき 長男が 服用継続を 希望したのです。


病院の先生は 「自分の特性もよくわかっているし 授業もちゃんと受けられ 理解できているし もういらないと思うけどねェ」と仰いましたが これまでに何度か 飲み忘れてしまったり 一時的に断薬をしていた際に 学校で授業が集中して聞けないことを 長男自身が 気にしていたのです。

 


結局、小学3年生の3学期の途中まで 服用を 続けました。服用をやめたのは 改めて 病院の先生から改めて「もう必要ないでしょう」と言われて 完全断薬をしたのですが…。


断薬した翌日 早速 学校の担任の先生から電話がかかり、断薬をしたことで性格が元どおりになり 服薬していた時の「大人しくて真面目な長男くん」のキャラが変わりまくって 困惑している様子でした。…無理も無いですね(。-∀-)


いままで 丁寧に書いていたノートや連絡帳の文字が乱れていて読むことが難しいレベルになり、


筆算が まっすぐ書けず計算ミスをしたり、


授業も 理解しきれなくて 休み時間に説明すれば できるのだけど 板書を 書き写すのも 遅くなり、


クラスメイトが発表している最中に口を挟んだり…。


ということが 問題となってきました。

もちろん 注意すれば 気づいて治そうとはするのですが いかんせん 長続きしません。

 


でも 断薬して 長男が 長男らしい性格に戻り 僕も妻も ひとつ安心しています。自分の苦手なことに悩みつつも、彼に笑顔が 戻ってきて 毎日楽しそうですから。


これは 薬によるサポートがある中でも学校生活を送ったことにより 「集中できる経験」をしたからこそ 断薬した今でも 薬を飲み始める前よりも 必要な時に静かにしたり 勉強も集中して臨めるようになったのだと感じています。


学校の先生も この四年間 たまたまいい先生にあたっただけかも知れませんが 発達障害育児に 理解が深く よくサポートしてくれている印象があります。


集中が切れ 話を聞いていない時に察して、

「長男くん、ここだよ」と叱ることなく やるべきことを 促して下さったり、学校でのできごとなどを連絡帳や電話で頻繁に教えてくださっているので とても助かっています。

 


それでも 学年が上がるにつれて難しくなっていく 授業への理解が できないこともあり 休憩時間に先生に何度も質問しにいっています。

 

こうして1対1で話せば理解できるけれど 相変わらず 一斉指示に近い 普通学級の授業体制では 理解が難しいのだという 問題も浮き彫りになりました。

 

もしかすると 少人数制の支援級で 授業を受けた方が いいのか?今は コンサータより副作用の弱いものがあるというので 服薬も検討した方がよいか?

 

いやいや、そもそも 周りとのトラブルなど大事に至ったりしていないのだから このままでよいのではないか?


長男は服薬無しで 普通学級に残ることを希望しているので 現状維持をしていますが 今まだ悩んでいるところであります。